- 蜂蜜はミツバチの口から出る。
- 花の蜜がミツバチの体内で酵素により加工される。
- 養蜂では必要量を残して採取する。
「蜂蜜ってミツバチのどこから出てくるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論からいうとミツバチの口から出てくるものです。
蜂蜜はミツバチが花の蜜を集め、それを加工してつくる自然の甘味料です。したがって、花の蜜と蜂蜜では甘さの性質が違うのです。
今回は、蜂蜜ができるまでの工程や、ミツバチがなぜ蜂蜜を作るのかについて詳しくご紹介します。
蜜ロマン養蜂園は長崎県長与町で、日本古来のニホンミツバチで丁寧に蜂蜜を生産しています。ふるさと納税返礼品にも商品を提供し、ふるさと長与町を盛り上げたい気持ちで日々養蜂に取り組んでいます。
ミツバチは蜂蜜をどこから出すの?

蜂蜜は、ミツバチの口から出てきます。
ただし、これは単なる花の蜜ではなく、ミツバチの体内で加工され、栄養価の高い蜂蜜へと変化しています。

蜂蜜ができるまでの流れ
- ミツバチが花の蜜を集める
- 働きバチは、花の蜜を口(口吻)を使って吸い取り、自分の体内にある「蜜胃(みつい)」に一時的に貯蔵します。
- ミツバチの体内で加工される
- 蜜胃の中では、ミツバチの酵素によって糖の分解が始まり、花の蜜が蜂蜜へと変化します。
- 巣に持ち帰り、仲間のミツバチと受け渡し
- 蜜胃に蓄えた花の蜜を巣に戻り、他の働きバチとリレーのように受け渡します。
- 巣の中で水分を蒸発させる
- ミツバチたちは羽で風を送り、蜜の水分を蒸発させて濃縮させます。
- 蜂蜜の糖度は約80%に達し、保存が効く状態になります。
- 巣の穴(蜜蝋)で封をする
- 完成した蜂蜜は、ミツバチによって巣穴に貯蔵され、蜜蝋(ミツロウ)で蓋をして保存されます。
ミツバチはなぜ蜂蜜を作るのか
ミツバチが蜂蜜を作る最大の理由は、生存のためのエネルギー確保です。
特に、冬の寒い時期には花が咲かず、蜜を採取できないため、夏から秋にかけて大量の蜂蜜を作り、巣内に蓄えておく必要があります。
ミツバチがエネルギーを必要とする理由

- 飛翔活動のため
- ミツバチは1秒間に200回以上羽ばたきながら飛行するため、膨大なエネルギーを消費します。
- 飛ぶための主なエネルギー源は、蜂蜜に含まれるブドウ糖と果糖です。
- 巣の温度管理のため
- ミツバチの巣内温度は通常35℃前後に保たれており、寒冷時には羽を震わせて熱を発生させ、巣内を温めます。
- そのエネルギー源として蜂蜜が不可欠です。
冬越しのための蜂蜜の重要性
- ミツバチは冬の間、巣の外に出られないため、夏の間に集めた蜂蜜を主食として生き延びます。
- 1匹のミツバチが一生で作れる蜂蜜の量は、ティースプーン1杯程度(約0.5g)ですが、巣全体で協力し、冬を越すために蜂蜜を作り、その重量は数十キロになることもあります。
女王バチと幼虫の育成
- 春には新しい働きバチが生まれ、蜂蜜は彼らの成長に不可欠な栄養源となります。
- ローヤルゼリーと共に蜂蜜が幼虫の成長を支える重要な役割を果たします。
このように、ミツバチが蜂蜜を作るのは単なる食糧確保ではなく、巣の維持や種の存続に関わる重要な行動なのです。
蜂蜜ができるまでの期間

ミツバチが1日に集められる蜜の量
ミツバチが1匹で1日かけて集められる花の蜜の量は、わずか0.03mlほどです。
しかし、数万匹のミツバチが協力して働くことで、数週間〜数ヶ月の間に大量の蜂蜜を作り上げます。
蜂蜜の生産が活発になる時期
- 春から夏にかけて、花が咲く時期に最も多くの蜂蜜が作られます。
- ミツバチの集蜜活動は主に日中の気温が高い時間帯に行われ、特に温暖な春から初夏にかけて最も活発になります。
年間の蜂蜜の採取量
- 1つの巣箱から1年間で10〜30kg程度の蜂蜜が採取できることもありますが、これはミツバチの生息環境や花の種類によって変動します。
- 養蜂家は巣の健康を守るために適切なタイミングで採蜜を行い、ミツバチが十分な貯蔵食料を確保できるよう管理しています。
このように、ミツバチの活動と環境が相互に影響しながら、時間をかけて蜂蜜が作られます。
蜂蜜を採るとミツバチはかわいそう?

「蜂蜜を取られたミツバチはかわいそう」と思うかもしれませんが、養蜂ではミツバチの生活を守りながら蜂蜜を採取します。
ミツバチに必要な蜂蜜は残して収穫する
- 養蜂では、ミツバチが冬を越すために必要な量の蜂蜜を残すように管理されています。
- 必要以上に蜂蜜を採りすぎることはなく、ミツバチの健康を守ることが大切です。
- 蜜ロマン養蜂園では、ニホンミツバチを大切に育て、自然に優しい方法で採蜜を行っています。
ミツバチと人間の共存
- 野生のミツバチも自然界で蜂蜜を作りますが、彼らは環境の変化や天敵からの影響を受けやすいです。
- 養蜂を適切に行うことで、ミツバチの数を維持し、生態系のバランスを守ることにも貢献できます。
- 蜜ロマン養蜂園では、自然な採蜜方法を取り入れ、ミツバチの負担を最小限に抑えることを心がけています。
このように、適切な養蜂管理が行われている限り、ミツバチの生活を守りながら人間も蜂蜜をいただくことができるのです。
まとめ|ミツバチは蜂蜜をどこから出す?蜂蜜ができるまでと作る理由
この記事では、蜂蜜がどのようにして作られ、ミツバチがなぜ蜂蜜を作るのかについて紹介する記事でした。
ミツバチの働きと蜂蜜の重要性を知ることで、私たちが普段口にする蜂蜜がどれほど貴重なものかがわかりますね。
以下に記事のポイントをまとめます。
- 蜂蜜はミツバチの口から出てくるが、体内で加工されて作られる。
- ミツバチは花の蜜を集め、体内の酵素で分解し、巣内で水分を蒸発させて蜂蜜を完成させる。
- 蜂蜜はミツバチにとって重要なエネルギー源であり、冬越しや巣の温度管理に役立つ。
- 1匹のミツバチが一生で作る蜂蜜の量はティースプーン1杯程度だが、巣全体で大量に蓄える。
- 適切な養蜂管理により、ミツバチの生活を守りながら蜂蜜を採取することができる。




United States National Library of Medicine (PubMed)
- The antibacterial properties of honey
蜂蜜の抗菌作用に関する研究を掲載した論文で、医療および健康分野での利用について説明しています。Journal of Agricultural and Food Chemistry
- Honey: Chemical composition, stability, and authenticity
蜂蜜の化学組成、安定性、純度の評価に関する研究論文。Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
- Beekeeping and sustainable livelihoods
養蜂と持続可能な生活の関係性について、FAOが提供するガイドライン。Manuka Health Research (University of Waikato)
- UMF Honey Association – Science Behind Manuka Honey
マヌカ蜂蜜の科学的研究や抗菌作用に関する情報を提供するウェブサイト。Harvard School of Public Health (The Nutrition Source)
参考になる文献について
- Honey: A sweetener with health benefits
蜂蜜の栄養的な側面や健康効果について解説する記事。