- 巣蜜の蜜蝋は食べられるか、消化できるか
- 蜜蝋の栄養成分について
- 巣蜜を食べる際の注意点
蜂蜜とともに人気のあるのが巣蜜(コムハニー)ですね。
巣蜜(コムハニー)として食べらる際、蜜蝋(みつろう)が含まれることについて気になった方もいると思います。
「蜜蝋は体内で消化できるの?」「体に害はないの?」と疑問に思いますよね?
結論から言うと蜜蝋は体内で消化できないワックスエステルが主成分です。
今回の記事では、そもそも蜜蝋とは?というところから、蜜蝋の栄養成分や巣蜜を食べる際の注意点についてご紹介します。
蜜蝋は食べれますが消化されずに排泄されますし、栄養を取るために食べるのはあまり向いてないと言えます。
蜜ロマン養蜂園は長崎県長与町で、日本古来のニホンミツバチで丁寧に蜂蜜を生産しています。ふるさと納税返礼品にも商品を提供し、ふるさと長与町を盛り上げたい気持ちで日々養蜂に取り組んでいます。
蜜蝋とは?|養蜂家が巣から抽出してつくる
- 蜜蝋はミツバチの巣の素材に使われたもの
- 養蜂家は、巣を湯銭して抽出し、不純物を取り除いて蜜蝋をつくっている
蜜蝋(みつろう)とは、ミツバチが分泌する天然のワックス(蝋)のことです。
ミツバチが巣を作る際に、働きバチが腹部から蜜蝋を出して六角形の巣の素材にしています。
養蜂家は、ミツバチの巣から蜂蜜を採取した後、残った巣を湯銭します。湯銭することで巣に使われた蜜蝋が溶けてお湯の上に浮かんできます。
この蜜蝋を数回濾す作業を行ってきれいな蜜蝋を作っていきます。意外にも手間がかかる作業です。
このようにして作られた蜜蝋は、使いやすいようにブロック状に成型して販売されます。
そして、蜜蝋ワックスやハンドケアなどのアイテムの素材として使われるのです。
蜜蝋は体内で消化できない?
蜜蝋は体内で消化できない
蜜蝋の主成分はワックスエステルと言われる脂肪酸エステルです。単に「蝋(ろう)」と呼ばれています。
脂肪酸エステルは体内で消化できないもので、食べるとそのまま排泄されます。
つまり、蜜蝋は体内で消化されません。
食べすぎると下痢や腹痛をおこすことがあるので注意するようにいわれています。
蜜蝋はミツバチの巣の成分ですので、巣蜜(コムハニー)に含まれています。
どれくらいなら安全?
巣蜜(コムハニー)を食べる程度なら、摂取する蜜蝋の量は少ないので特に問題にはならないでしょう。
このワックスエステルですが、別の話題として以下のような話があります。
深海魚のバラムツの体脂肪にもワックスエステルが含まれており、人間は消化できないため大量に食べるとお尻から脂(ワックスエステル)が出てきてしまいます。そのため、日本では販売が禁止されています。
蜜蝋の栄養成分について
蜜蝋の栄養については不明
食品の栄養成分を調べるには、文部科学省の食品成分データベースで検索すると、信頼できるデータを確認することができます。
「蜜蝋」を調べると、エラーとなりそのデータは確認できません。
ネット上にあるいろいろなサイトのコンテンツを読むと、プロポリスなどが含まれるという理由で摂取をすすめているものが見つかります。
そういったコンテンツでは、以下の栄養が含まれているようです。
- 微量のプロポリス成分・ローヤルゼリー
- 花粉由来のミネラルやアミノ酸
摂取するならサプリの利用が安心
筆者としては、蜜蝋の7割とほとんどが消化できないワックスエステルということから、そういった有用な成分は微量入っているという程度ではないかと考えます。
果たして、食べにくい蜜蝋をわざわざその栄養素を取るために食べる必要があるのかということを思ってしまいます。
もし、プロポリスやローヤルゼリーを摂りたかったら、サプリで摂取するほうが体には良いのではないかと考えます。
蜜蝋を食べても大丈夫?
食べることができますがそのまま排泄される
そもそも蜜蝋を食べることができるのでしょうか?
結論から言うと、食べることができます。
ほとんどがワックスエステルという消化できない成分でできているので、食べてもそのまま排泄されます。
あえて食べるようなものではありません。
ワックスエステルとは
ワックスエステルは、長鎖脂肪酸と長鎖アルコールが結合してできたエステル化合物の一種で、天然のワックス(蝋)を構成する主要成分です。
- 水に溶けず油に溶けやすい
- 低温でも固体のまま存在することが多い
- 体内で消化されない
- 天然の保湿成分として使われる
含有物質 | ワックスエステル含有量 |
---|---|
蜜蝋(みつろう) | 約70% |
ホホバオイル | 約97% |
バラムツ(深海魚) | 約90% |
ラノリン(羊毛脂) | 約25~40% |
蜜蝋は美味しい?
美味しくありません。
溶けないので食べた際は口に残って異物感を感じて食べにくいです。
食べるものではないと言いたいです。
蜜蝋は人体に害がある?|食べる際の注意点
ここまで話してきたように、巣蜜を食べる際に摂取してしまうくらいの蜜蝋であれば、基本的に人体に害はありません。
1. 消化不良に注意
- 一度に大量に摂取すると、おなかを下したり、便秘の原因になることもあるようです。
2. アレルギーの可能性
- ミツバチ由来の成分が含まれるため、アレルギーがある人は摂取を控えた方がよいです。
- 基本的に蜂蜜と同じように考えましょう。
乳児は食べるのを避けましょう|ボツリヌス菌に注意
- 蜂蜜と同様に乳児に与えないようにしましょう。
- ボツリヌス菌がいる可能性があり、免疫力の低い乳児に与えてはいけません。
まとめ|【巣蜜】蜜蝋は消化できない!食べても大丈夫?注意点をご紹介
この記事では、巣蜜(コムハニー)に含まれる蜜蝋(みつろう)が食べられるのか、消化できるのかについてご紹介しました。
巣蜜に含まれる蜜蝋は基本的に無害であり、少量であれば問題なく食べられます。
ただし、消化されないため食べすぎには注意が必要です。栄養成分を摂取する目的であれば、サプリなどの利用が適しているでしょう。
以下に記事の要点をまとめます。
- 蜜蝋はミツバチの巣を構成する天然のワックスである。
- 蜜蝋の主成分はワックスエステルで、体内では消化されずそのまま排泄される。
- 蜜蝋にはプロポリスやローヤルゼリーなどの成分が微量に含まれているが、栄養補給目的で食べるには不向きである。
- 大量に摂取すると消化不良を起こし、下痢や腹痛の原因になることがある。
- 乳児には与えてはいけない(ボツリヌス菌のリスクがある)。





United States National Library of Medicine (PubMed)
- The antibacterial properties of honey
蜂蜜の抗菌作用に関する研究を掲載した論文で、医療および健康分野での利用について説明しています。Journal of Agricultural and Food Chemistry
- Honey: Chemical composition, stability, and authenticity
蜂蜜の化学組成、安定性、純度の評価に関する研究論文。Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
- Beekeeping and sustainable livelihoods
養蜂と持続可能な生活の関係性について、FAOが提供するガイドライン。Manuka Health Research (University of Waikato)
- UMF Honey Association – Science Behind Manuka Honey
マヌカ蜂蜜の科学的研究や抗菌作用に関する情報を提供するウェブサイト。Harvard School of Public Health (The Nutrition Source)
参考になる文献について
- Honey: A sweetener with health benefits
蜂蜜の栄養的な側面や健康効果について解説する記事。