- 蜜蝋ワックスは自然発火するのか
- なぜ発火するのか
- 発火しやすい蜜蝋ワックスとは
まず安心してください!
普通に使えば全然問題ありません。DIYをした後片付けをきちんと行いましょうという話です。
DIYに必須アイテムの蜜蝋ワックスは、木製家具やフローリングの保護、ツヤ出しに使われる天然素材のワックスです。
DIYで使用した塗料が発火して火事になったというのを聞いたことがある人にとっては、 「蜜蝋ワックスは発火するのか?」というギモンを持ったかたもいると思います。
今回の記事では、蜜蝋ワックスの発火リスクについてご紹介します。
筆者は自然発火を経験したことがありませんが、発火の原理からいうと蜜蝋ワックスの自然発火はありえそうです。
通常の塗料と同様に、DIYの後片付けはきちんと行いましょう。
この記事が参考になればうれしいです。
蜜ロマン養蜂園は長崎県長与町で、日本古来のニホンミツバチで丁寧に蜂蜜を生産しています。ふるさと納税返礼品にも商品を提供し、ふるさと長与町を盛り上げたい気持ちで日々養蜂に取り組んでいます。
蜜蝋ワックスが発火するリスクはある
結論から言うと、蜜蝋ワックス自体は発火しにくいが、含まれる乾性油が発火の原因になることがある、ということです。
蜜蝋自体は発火点が高く、酸化反応をほとんど起こさないため発火しにくいものです。
しかしながら、蜜蝋ワックスには乾性油が使われるため、乾性油が自然発火する可能性があります。
特に、ワックスを塗布した後のウエス(布)やスポンジが自然発火することがあり、以下のように火事になった事例もあります。
では、具体的な発火の原理を次にご紹介します。
蜜蝋ワックスが発火する原理

蜜蝋ワックスが直接火をつけずに発火するのは、乾性油の酸化による発熱が原因です。
1. 乾性油の酸化反応
蜜蝋ワックスには、木材に浸透しやすくするために乾性油(亜麻仁油、エゴマ油など)が含まれています。
この乾性油は空気中の酸素と結びつくことで酸化し、発熱します。
蜜蝋ワックスを手作りするときも、乾性油を使いますので、手作りだから発火しないということにはなりませんので注意が必要です。
2. 熱がこもる
乾性油を含んだ布やスポンジを放置すると、酸化反応で熱が発生します。
たくさんの布を段ボールに入れていたり、ごみ箱にいれると、発生した熱がこもって温度が上昇します。
3. 自然発火
熱がこもり続けると、最終的に発火点に達し、布やスポンジが自然発火します。
どんな蜜蝋ワックスが発火しやすい?
すべての蜜蝋ワックスが発火しやすいわけではありません。
発火リスクの高いワックスは、乾性油の含有量が多いものです。
発火しやすい蜜蝋ワックスの特徴
- 乾性油(亜麻仁油・エゴマ油・桐油)が多く含まれている
- 乾燥が早い(酸化が活発に進む)
発火しにくい蜜蝋ワックスの特徴
- 乾性油が少ないもの
- 非乾性油(オリーブオイルやココナッツオイル)が主成分 :普通は乾性油が使われるのでほとんどない

蜜蝋ワックスに使われる乾性油の種類と発火リスク

以下は、蜜蝋ワックスに使用されることの多い乾性油の種類と、その発火しやすさの比較です。
ヨウ素価130以上のものは、酸化硬化がはやく発火しやすいとされています。
油の種類 | ヨウ素価(酸化しやすさ) | 発火リスク |
---|---|---|
亜麻仁油 | 170-190 | 高い |
エゴマ油 | 160-200 | 高い |
桐油(トングオイル) | 160-180 | 高い |
クルミ油 | 120-150 | 中~高 |
紅花油 | 100-140 | 中 |
大豆油 | 100-130 | 中 |
オリーブオイル | 80-90 | 低い |
ココナッツオイル | 10-20 | ほぼゼロ |
- 亜麻仁油・エゴマ油・桐油は特に注意!
これらの油を含む蜜蝋ワックスを使用した後の布は、自然発火のリスクが高いため、適切に処理する必要があります。
しっかり、後片付けをしておけば大丈夫ですのでご安心を!
蜜蝋ワックスを安全に使うためのポイント
蜜蝋ワックスを安全に使用するために、以下の対策を徹底しましょう。
1. 使用後の布やスポンジの処理
🚫 密閉容器に入れない!
✅ 広げて乾燥させる(風通しの良い場所で)
✅ 水に浸してから廃棄する(一番安全!)
2. 乾性油の多いワックスを使用する場合の注意
✅ 使用後すぐに処理する
✅ 乾燥が早いワックスは特に気をつける
✅ 耐火性のゴミ箱を利用する(金属製のフタ付きゴミ箱など)
まとめ|【DIY】蜜蝋ワックスは発火する危険がある|原因と注意点
蜜蝋ワックスを安全に使用するためには、乾性油の特性を理解しておくことが大切です。
DIYに活用する際は、発火リスクを考慮しながら、安全な取り扱いを心がけましょう。自然にやさしい蜜蝋ワックスでも危険なリスクが考えられるのはちょっと驚きました。
- 蜜蝋ワックス自体は発火しにくいが、含まれる乾性油が発火の原因になることがある。
- 特に亜麻仁油・エゴマ油・桐油を含むワックスは発火リスクが高い。
- 乾性油は酸化熱を発生し、ウエスやスポンジが自然発火することがある。
- 使用後の布は、水に浸すか広げて乾燥させることで発火を防げる。





United States National Library of Medicine (PubMed)
- The antibacterial properties of honey
蜂蜜の抗菌作用に関する研究を掲載した論文で、医療および健康分野での利用について説明しています。Journal of Agricultural and Food Chemistry
- Honey: Chemical composition, stability, and authenticity
蜂蜜の化学組成、安定性、純度の評価に関する研究論文。Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
- Beekeeping and sustainable livelihoods
養蜂と持続可能な生活の関係性について、FAOが提供するガイドライン。Manuka Health Research (University of Waikato)
- UMF Honey Association – Science Behind Manuka Honey
マヌカ蜂蜜の科学的研究や抗菌作用に関する情報を提供するウェブサイト。Harvard School of Public Health (The Nutrition Source)
参考になる文献について
- Honey: A sweetener with health benefits
蜂蜜の栄養的な側面や健康効果について解説する記事。