- 蜜蝋ワックスの基本の作り方がわかる
- 用途ごとの使い方がわかる
- 蜜蝋ワックス作りを失敗しないコツがわかる
蜜蝋ワックスは、天然素材で作られる安全で環境に優しいワックスとして人気です。
DIYなど木製家具やフローリングの仕上げ、レザー製品のケア、スキンケア用品として活用されています。
簡単に作れてコスパがいいだけでなく、無色無臭なため仕上がりのナチュラルさを邪魔しないところも人気の理由なのです。
この記事では、蜜蝋ワックスの作り方や正しい使い方、失敗しやすいポイント、デメリットまでご紹介します。
この記事を読めばきっと蜜蝋ワックスを使いたくなるはずです。
蜜ロマン養蜂園は長崎県長与町で、日本古来のニホンミツバチで丁寧に蜂蜜を生産しています。ふるさと納税返礼品にも商品を提供し、ふるさと長与町を盛り上げたい気持ちで日々養蜂に取り組んでいます。
蜜蝋ワックスの作り方(基本レシピ)
必要な材料
- 蜜蝋(ビーズワックス):10g
- 乾性油(亜麻仁油、燈油など):60~90g
- 耐熱容器(ガラスやステンレス製)
- 湯せん用の鍋
- 攪拌用のスプーン(木製やシリコンが望ましい)
- 保存用の容器(アルミ缶やガラス瓶など)
蜜蝋ワックスには乾性油を使用します。乾性油とは空気中の酸素と反応し、酸化重合して固まる性質を持つオイルです。
乾燥後は固くなり、コーティング性があるので、木材の仕上げや楽器のお手入れに活用されます。乾性油には亜麻仁油、桐油などがあります。
※スキンケア向けには、ホホバオイルなどの不乾性油を使用します。
作り方
蜜蝋ワックスの作り方は簡単です。
大きな流れとしては、湯銭で乾性油を温めて、温まったら蜜蝋を入れて溶かし、容器にいれて冷やすと出来上がります。
以下に各ステップごとに作り方を記載します。
鍋にお湯を張り、耐熱容器を浮かべて温めます(湯せんの温度は80℃以下が理想)。
ぐつぐつ沸騰させてしまうと水が混入する可能性があるので、沸騰したら弱火にしましょう。
温めた耐熱容器にオイルをそそぎ、温めます。
乾性油を使用してください。不乾性油は使用できません。
乾性油: 亜麻仁油、桐油
温まったオイルが入っている耐熱容器に蜜蝋を入れ、ゆっくり溶かす。
完全に液状になるまで混ぜながら溶かします。
完全に蜜蝋が溶けたら、容器に移します。
そのまま自然に冷ますと固まりますので、固まったら完成です。
蜜蝋ワックスの使い方

蜜蝋ワックスは、木製家具、フローリング、レザー製品の保護に使えます。
光沢を与えて見た目が良いだけでなく、しっかり乾燥させることで表面に膜を形成するため、塗った素材を保護してくれるのです。
1. 木製家具やフローリングの保護
使い方
- 表面のホコリや汚れを落とす。
- 柔らかい布やスポンジに少量の蜜蝋ワックスを取り、木の表面に塗り込む。
- 薄く伸ばしながら、円を描くように擦り込む。
- 乾燥後(約1~2時間)、乾いた布で余分なワックスを拭き取る。
木材の表面にツヤが出て、水や汚れを弾きやすくなる。
2. レザーのケア
使い方
- レザーの表面の汚れを拭き取る。
- 柔らかい布で薄くワックスを塗布。
- 乾いた布で優しく磨き上げる。
レザーにツヤと柔軟性を与え、乾燥やひび割れを防ぐ。
3. スキンケア(リップバーム・ハンドクリーム)
使い方
※不乾性油を使用した蜜蝋ワックス
- 蜜蝋ワックスにシアバターやエッセンシャルオイルを加えると、リップバームやハンドクリームとして利用可能。
- 少量を指に取り、手や唇に塗る。
保湿力が高く、乾燥対策に優れる。
蜜蝋ワックスの失敗例と対策
1. なんか塗りづらい!蜜蝋ワックスが硬すぎる or 柔らかすぎる
失敗の原因
蜜蝋と乾性油の配合比が悪かった場合、出来上がりが硬すぎたり柔らかすぎたりします。
最終的なワックスの硬さは蜜蝋の量できまります。重量で、蜜蝋1に対して乾性油6~9の範囲で調整してみてください。(例 蜜蝋 10gに乾性油 60g~90g)
蜜蝋が多すぎると固くなり、オイルが多すぎると柔らかくなります。
対策はコレ!
- 硬すぎる場合 → 溶かしてオイルを追加する。
- 柔らかすぎる場合 → 溶かして蜜蝋を追加する。
2. DIYで蜜蝋ワックスを塗った後ベタつく
失敗の原因
塗りすぎて仕上げのふき取りが甘いとべたつきます。また、しっかり乾燥させましょう。
蜜蝋ワックスは塗った素材にしみこみ、乾燥することで酸化重合し硬くなります。それにより、素材の表面に薄い膜ができて素材を守ったり光沢が出ます。
対策はコレ!
- できるだけ薄く伸ばし、余分なワックスは乾いた布で拭き取る。
- 塗って拭き上げたらしっかり乾燥させる。
- 乾燥すると空気中の酸素と反応し硬化する。
3. 塗りムラができる
失敗の原因
蜜蝋ワックスは気温が低いと固まる性質があります。気温が低い場所で作業すると、均一に塗ることができず塗った後にムラができる場合があります。
また、塗る量が少ないと均一に塗れません。
対策はコレ!
- 室温20℃以上で作業する。
- 布で均一に伸ばし、仕上げに磨く。
- 少量ずつ塗っていくが、ケチらずまんべんなく塗る。
蜜蝋ワックスのデメリット
蜜蝋ワックスは天然素材で安全性が高い一方、いくつかのデメリットもあります。
1. 乾燥に時間がかかる
- 化学系のワックスと比べて、完全に乾くまでに時間がかかる(1~2時間)。
2. 塗るのにコツがいる
- 塗りムラが出ないように、均一に伸ばすことがポイント。
- 最後にきれいにふき取ることもきれいに仕上げるコツ。
3. 温度変化に弱い
- 暑い季節には溶けやすく、寒い季節には固まりやすい。
- 夏場は冷蔵庫、冬場は温かい部屋で保管するのが理想。
4. 汚れが付きやすい
- ワックスを塗った後は、乾いていないためホコリや汚れがつきやすいので注意。しっかり乾かすことがポイント。
蜜蝋ワックスを使うメリット
蜜蝋ワックスは、市販の化学系ワックスとは異なり、天然素材で作られた安全性の高いワックスです。
自作することで、成分の調整ができ、自分好みの質感や香りに仕上げられるのも大きな魅力です。香料を加えることで香りも付けることができます。
以下に蜜蝋ワックスを使うメリットについてまとめます。
1. 天然素材で安心・安全
化学物質不使用で、健康や環境に優しい
市販のワックスには、シリコンや合成樹脂、防腐剤などの化学物質が含まれていることが多いですが、蜜蝋ワックスは100%天然成分で作ることができ、小さな子どもやペットがいる家庭でも安心して使用できます。
直接触れても安心
蜜蝋は無害なので、家具やフローリングに使うだけでなく、レザーケアやスキンケアにも使用できます。
2. 木材・レザー製品の寿命を延ばせる
木製家具やフローリングの保護
蜜蝋ワックスは、木材に浸透して表面をコーティングし、乾燥やヒビ割れを防ぎます。
水を弾く性質もあり、水シミや汚れがつきにくくなるため、家具やフローリングの耐久性が向上します。
レザー製品の保湿・柔軟性の向上
革製品に塗ると、革の柔軟性を保ちつつ、乾燥や劣化を防ぎます。
防水効果も期待でき、長く良い状態を維持することが可能です。
3. 経済的でコスパが良い
市販のワックスより安く作れる
市販の高品質なワックスは1,500円〜3,000円ほどするものが多いですが、蜜蝋ワックスは材料費が安く、作り方も簡単なので、長期的に見て経済的です。
一度に大量に作ることができ、長持ちするため、コストパフォーマンスが高いのもうれしい点です。
4. カスタマイズ可能
好みのオイルで作れる
DIYや楽器のお手入れなら、乾性油の亜麻仁油や燈油などの種類があります。
また、スキンケアであれば、不乾性油のココナッツオイル、ホホバオイルなど、用途に合わせてオイルを選べます。
硬さや仕上がりを調整できるので、自分に最適なワックスを作ることが可能です。
香りを自由にカスタマイズできる
エッセンシャルオイルを加えることで、好きな香りに仕上げられます(例:ラベンダー、ティーツリー、オレンジなど)。
市販のワックス特有の人工的な香りが苦手な人におすすめです。
5. 環境に優しい
サステナブルでエコフレンドリー
天然素材のみで作るため、使用後も環境に優しいです。
プラスチックや合成樹脂を含まず、生分解性があり、地球環境への負荷が少ないのが良い点です。
容器を再利用できる
自作することで、使い終わったガラス瓶やアルミ缶を再利用でき、ゴミを減らせます。
6. 初心者でも簡単に作れる
特別な道具がいらない
鍋と耐熱容器があれば作れるため、初心者でも挑戦しやすいです。湯せんで溶かして混ぜるだけなので、短時間で完成します。
配合を変えるだけでオリジナルのワックスが作れるのも魅力です。
まとめ|蜜蝋ワックスの作り方と使い方|失敗しないコツとデメリットも!
蜜蝋ワックスは、木製家具やフローリング、レザー製品のケアに最適な天然ワックスです。
自作することで、好みの硬さや香りに調整できるのも魅力です。是非、作ってみてください!
- 基本の作り方:蜜蝋+植物油を湯せんで溶かし、保存容器に入れるだけ
- 用途:木材・レザーケア、スキンケアにも活用可能
- 失敗しやすいポイント:厚塗りするとベタつく、低温環境ではムラになりやすい
- デメリット:乾燥に時間がかかる、温度変化に弱い




United States National Library of Medicine (PubMed)
- The antibacterial properties of honey
蜂蜜の抗菌作用に関する研究を掲載した論文で、医療および健康分野での利用について説明しています。Journal of Agricultural and Food Chemistry
- Honey: Chemical composition, stability, and authenticity
蜂蜜の化学組成、安定性、純度の評価に関する研究論文。Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
- Beekeeping and sustainable livelihoods
養蜂と持続可能な生活の関係性について、FAOが提供するガイドライン。Manuka Health Research (University of Waikato)
- UMF Honey Association – Science Behind Manuka Honey
マヌカ蜂蜜の科学的研究や抗菌作用に関する情報を提供するウェブサイト。Harvard School of Public Health (The Nutrition Source)
参考になる文献について
- Honey: A sweetener with health benefits
蜂蜜の栄養的な側面や健康効果について解説する記事。