- 巣蜜に入っている幼虫は何の幼虫か
- ミツバチの巣はエリア制である
- ミツバチの幼虫が混入する可能性は低い
買った巣蜜に幼虫らしき姿がある・・これって食べていいの?
結論からいうと、スムシの幼虫だと認識したうえで食べるかどうかを決めてください!という感じでしょうか。
基本的に生産管理をしていれば、巣蜜にミツバチの幼虫が混入することは考えられません。
したがって、スムシの幼虫が混入している可能性が高いと思っています。
そのうえで、その幼虫を食べれるかと聞かれると・・食べれると思いますが、蜂の子ではないし、美味しくないと思う・・という結論に達しました。
今回の記事では、巣蜜に混入した幼虫についてのお話をまとめました。
蜜ロマン養蜂園は長崎県長与町で、日本古来のニホンミツバチで丁寧に蜂蜜を生産しています。ふるさと納税返礼品にも商品を提供し、ふるさと長与町を盛り上げたい気持ちで日々養蜂に取り組んでいます。
巣蜜とは?|コムハニー
巣ごと蜂蜜を切り出したもの
巣蜜(コムハニー)とは、ミツバチが巣の中で作った蜂蜜を巣ごと食べる天然の蜂蜜 のことです。
一般的な蜂蜜とは異なり、蜜蝋で蓋をされた状態のまま巣ごと販売されます。
ニホンミツバチの巣蜜はほとんどなく、販売されているものはセイヨウミツバチの巣蜜が大半を占めています。
栄養満点だとの触れ込みで販売されていて、確かにそうではあるとは思いますが、おいしいが基準の筆者としては少々ギモンに思っております。
ローヤルゼリーやプロポリスを摂取したければサプリで、蜂蜜は純粋においしく食べてほしいという思いです。

巣の構造:巣蜜に幼虫が混入しない理由
巣蜜は、一般的にセイヨウミツバチのものが流通していますので、セイヨウミツバチについて記述します。
ミツバチの巣は役割ごとに分かれている

ミツバチの巣は、大きく分けて以下の3つのエリアに区分されています。
- 貯蜜域(蜂蜜エリア):花から集めた蜜を貯める部分(巣の上部や外側)
- 花粉貯蔵域:幼虫の栄養となる花粉を保存するエリア(貯蜜域の下部)
- 育児域(幼虫エリア):女王蜂が卵を産み、幼虫が育つエリア(巣の中央部)
つまり、蜂蜜を貯める場所と幼虫が育つ場所は明確に分かれているため、通常は幼虫が混ざることはありません。
これがニホンミツバチの場合、巣箱全体の上部に位置する部分が貯蜜エリアになるので、ニホンミツバチでも幼虫の混入はほぼないと言えます。
封蓋(蜜蝋の蓋)された部分のみを採取
ミツバチは、巣に貯めた蜜が十分に熟成すると、蜜蝋で蓋をする(封蓋) という習性を持っています。
養蜂家は、この封蓋された部分のみを採取して巣蜜として販売するため、幼虫がいる未熟な部分が混ざることはありません。
巣蜜に幼虫が混入する可能性があるケース
適切な養蜂管理が行われていれば、巣蜜に幼虫が混入することはほぼありません。
それでも、混入する場合を考えると以下のようなケースが考えられるかもしれません。
見極め不十分に巣をそのまま採取

養蜂ミツバチの巣から採蜜する場合、どの部分が蜂蜜エリアであるかを見極めずに収穫すると、幼虫が含まれる可能性があります。
養蜂をしていれば、蜜がある部分は見てわかりますので、間違うことはあまりないのですが、例えば養蜂初心者だったり、ぎりぎりのエリアまで商品化したいという方だと幼虫の混入があるかもしれません。
巣蜜に混入している幼虫はスムシである可能性が高いのでは
ここまで、巣蜜に幼虫が混入する場合を考えてみて、蜂の子が混入することは考えにくいと感じています。
したがって、混入した幼虫はスムシの幼虫である可能性のほうが高いのではと思います。姿を見てみないと何とも言えませんが。
スムシはミツバチの巣に寄生する“ガ”で、ミツバチの巣の蜜蝋を食べて成長します。
おそらく食べても問題ないとは思いますが、美味しくもないのではないでしょうか。
まとめ|巣蜜に幼虫は混入はしない!ミツバチの巣作りはエリア制
この記事では、巣蜜に幼虫が混入する可能性や、その正体について考える記事でした。
巣蜜に幼虫が混入することは極めて稀であり、正しく管理されたものであれば問題はありません。
ただし、混入した幼虫がスムシである場合、食べるかどうかは自己判断で!巣蜜を購入する際は、信頼できる販売元から選ぶことをおすすめします。
- 巣蜜(コムハニー)はミツバチが巣ごと作る天然の蜂蜜である。
- ミツバチの巣は「貯蜜域」「花粉貯蔵域」「育児域」に分かれ、幼虫が蜂蜜に混ざることはない。
- 封蓋(蜜蝋の蓋)された部分のみを採取するため、通常は幼虫が含まれない。
- 養蜂管理が不適切な場合や自然巣を見極めずに採取した場合、幼虫が混入する可能性がある。
- 巣蜜に混入している幼虫は、ミツバチの幼虫ではなく、スムシの幼虫である可能性が高い。




United States National Library of Medicine (PubMed)
- The antibacterial properties of honey
蜂蜜の抗菌作用に関する研究を掲載した論文で、医療および健康分野での利用について説明しています。Journal of Agricultural and Food Chemistry
- Honey: Chemical composition, stability, and authenticity
蜂蜜の化学組成、安定性、純度の評価に関する研究論文。Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
- Beekeeping and sustainable livelihoods
養蜂と持続可能な生活の関係性について、FAOが提供するガイドライン。Manuka Health Research (University of Waikato)
- UMF Honey Association – Science Behind Manuka Honey
マヌカ蜂蜜の科学的研究や抗菌作用に関する情報を提供するウェブサイト。Harvard School of Public Health (The Nutrition Source)
参考になる文献について
- Honey: A sweetener with health benefits
蜂蜜の栄養的な側面や健康効果について解説する記事。